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苦労の三度挽き [蕎麦研製粉所]

石臼でより細かく挽くために、挽き方を変えてみました。

以下、以前掲載した時の記事。
http://soba-lab.blog.so-net.ne.jp/2011-04-29
上臼と下臼の隙間が大きいと粗く挽けて、小さいと細かく挽けるという話。

モノクバリへの実の投入量で隙間が変わってくるので、投入量をゆっくり入れるようにして丁寧に挽くというやり方で挽いたというのが今までの話。

今回試した方法は以下
1 モノクバリから大量に実を投入し、粗挽き粉をつくる。
2 粗挽き粉を#60メッシュで篩にかけて、#60より大きい粉を再度石臼にかける。
3 更に#60メッシュでふるいにかけて、#60より大きい粉を再度石臼にかける。
4 出来上がった粉と#60で篩にかけた粉とを混ぜて完成。

要は合計3回挽いてます。#60より小さい粉は複数回挽く必要性はないと考えて篩でのぞいて、#60より大きい粉を複数回挽いてより細かく挽く試み。

上臼と下臼の隙間を小さくすれば細かく挽けるのであれば単純に複数回石臼に通せば細かく挽けるはず。
1回目が実を粉砕する行程、2回目、3回目が甘皮や胚芽の部分を細かく挽く行程のイメージ。

懸念点は3回挽く事で石臼の溝を通過する時間が1回挽きに比べて長くなるので、石臼の摩擦熱で風味が損なわれるかもしれない事。今回#60メッシュ以下の粉を省いたのはそのためです。

ヒントは「高橋邦弘名人直伝 蕎麦打ち道場」のP.65 の以下の記載から得ました。
・・・ 一番粉を取り除いた後に更に挽砕すると・・・

多数回石臼で挽くというのは、一般的に用いられている手法のようです。

粒径分布で比較すると、3回挽きではだいぶ細かくなりました。手法を変えるだけで、これだけ変化するのは面白い。
効果.jpg

3回挽きの顕微鏡写真で、1回挽きと比較してみます。比較の対象は以下の記事参照。
http://soba-lab.blog.so-net.ne.jp/2011-12-31

以下は3回挽きの顕微鏡写真。

#60以下 差がない。(一回しか挽いていないので当然と言えば当然か。) 
#60以下.jpg

#50~60 胚芽、甘皮等に付着している胚乳と胚乳の塊が少ないように見える。
#60~50.jpg

#40~50 甘皮の緑色が鮮やかに。胚乳の付着が少なくなっている為ではと思ってます。みがかれたイメージ。
#50~40.jpg

#40~30 甘皮の緑色が鮮やか。
#40~30.jpg

#30以上
#30以上.jpg

今まで#30以上の粒径の粉は廃棄(#30以上の粉があると打ちにくい感じがした)してしまってましたが、今回は挽いた粉全てを使ってみました。

蕎麦:高山製粉 抜き実 自家製粉 3度挽き、粉は全て使用・・・250g
つなぎ:強力粉・・・ 62.5g
水: 重量測るの忘れる大失態。

002.JPG

003.JPG

大変打ちやすい粉でした。出来上がりの蕎麦は三回挽きのほうが美味いような気がしました。
(苦労して挽いた気持ちの面も上乗せされているかな・・・)
粉の歩留まりは向上してますので、3度挽きに軍配。

次回はこの粉で十割を試してみようかと。
顕微鏡の写真から緑色が鮮やかになっているので、鶯色の蕎麦になるかな???

但しこの挽き方のデメリットは、とにかく時間がかかる。
趣味の世界とはいえ、頻繁にやるには難有。

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またまた しばらく旅に出ます。
お返事等が遅くなってしまうと思いますが、ご了承ください。
m(_ _)m

今回も読んでいただきありがとうございました。
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コメント 3

さる1号

緑鮮やかな蕎麦、美味しそうですね。
手間がかかりますが手間をかけた分美味しい蕎麦ができるという事なのですね。
長期のご出張でしょうか。お疲れ様です。
by さる1号 (2012-01-09 05:05) 

たー

niceと訪問ありがとうございました。
by たー (2012-01-14 23:54) 

たー

さる1号さん
いつもありがとうございます。
微妙に緑がかった蕎麦になりました。
出張でしたが、比較的早く帰れました。
by たー (2012-01-14 23:55) 

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